2024.07.18

小学生高学年、高校生を対象とした「ラーニングプログラム」導入について

AOMORI GOKAN アートフェス 2024 では、5館の共通企画として栗林隆の《元気炉》が開催館を巡回するほか、「ラーニングプログラム」を導入します。これまで各館でも、学校や地域と連携し子ども向けのプログラムを実施してきましたが、本アートフェスの開催を機に、小学校高学年を対象とした5館共通の鑑賞ツール「GOKAN ファイルブック」を制作し配布。あわせて青森県内の高校生を対象とした作品鑑賞プログラムを実施します。いずれも各館のラーニング担当者が協議を重ね実施するもので、鑑賞ツール「GOKAN ファイルブック」は来館者への配布とあわせて、青森市エリア*、弘前市、八戸市、十和田市の小学校(対象児童全員)に配布。(*青森市エリアには、青森市、外ヶ浜町、中泊町が含まれます)既に青森市の教育委員会と連携した取り組みも始められており、これらツールを活用した鑑賞プログラムはフェス終了後も継続的に実施します。美術館の来館者と共に、今後、各地区の教員と美術館との連携促進を図りながら、美術館を活用した鑑賞教育に取り組みます。

小学生高学年向け鑑賞ツール「GOKAN ファイルブック」配布開始!

訪れた子どもたちが美術館に親しみ、作品との出合いを楽しむため制作した鑑賞ツール「GOKAN ファイルブック」は、美術館での過ごし方や作品鑑賞を楽しむアイディアが詰まった共通の小冊子と、各館で開催中の展覧会に関する鑑賞シート、そしてそれらを収納して持ち運ぶためのポケットフォルダーで構成されています。鑑賞シートには、「あなたにはどんな風に見えている?」「こんな楽しみ方はどうだろう」など、作品と向き合うきっかけとなるような問いかけや提案、そして作品や作家についてのやさしい解説などを載せ、子ども達が主体的に鑑賞することを促します。その場で気づいたことを直接書き込むこともでき、各館の鑑賞シートに取り組み、集めていくことで、自分だけの一冊となります。小学校4~6年生を対象としていますが、大人も含めた幅広い年代の方に楽しんでいただける内容です。

〇対象: 小学校4-6 年生

〇GOKAN ファイルブックの内容
1)小冊子: 美術館での過ごし方や作品鑑賞を楽しむアイディアが詰まった5館共通の冊子
2)鑑賞シート: 開催中の展覧会や出品作品に関するシートで各館ごとに異なる
3)ポケットフォルダー:小冊子と鑑賞シートを収納して持ち運べるフォルダー

〇イラスト・デザイン:マエダユウキ(グラフィックデザイナー/イラストレータ)
1990 年生まれ。京都をベースに活動。サイクリング、登山、動植物が好き。デザイン事務所で7 年ほど経験を 積んだ後、独立。グラフィックデザイン、イラストレーションが前向きで気持ちのいい作用を生む仕事を心がけています。主な仕事:スターバックス / BRUTUS /TRANSIT / 山と渓谷 / JR グループ / 日本郵便 / 住友林業 / 吉田カバン / 三井不動産 /Money Forward など

高校生向け「高校生サマープログラム」8月10日開催(青森県立美術館)

青森県内の高校生を対象に、一歩踏み込んだ作品鑑賞を経験し、新たな見方や考え方に触れる機会を設けます。今回のサマープログラムでは、哲学研究と並行して学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行う哲学研究者の永井玲衣をゲストに迎え、共通企画として5館を巡回する作品、栗林隆の《元気炉》を県内の高校生と一緒に鑑賞しながら対話するプログラムを実施します。

◯対象: 青森県内の高校生

◯実施: <本アートフェス開催期間中に実施するプログラム>
    2024 年8 月10 日(土) 青森県立美術館

◯ゲスト: 永井玲衣(哲学研究者)

◯内容: 
現代美術作品の鑑賞のためのエクササイズとして、参加者とともに哲学対話を行います。哲学対話とは、テーマを設け、複数人で話しながら思考を深めていく場、そしてそこで行われる対話のことを指します。「問いを立てる」「立ち止まって根本的に考える」ことを体験的に学んだ後、実際に作品(栗林隆《元気炉》)を見ることで、より主体的で深い鑑賞につながると期待できます。