2024.08.13

栗林隆《元気炉》「Aomori GENKI-RO Trip」青森県立美術館からスタート!

栗林隆《元気炉》青森県立美術館 展示の様子

各館を巡回する5 館の共通企画、栗林隆《元気炉》が8月9日(金)より青森県立美術館をスタートしました。

栗林は空間の内と外、自然と人間、人間同士の間にある境界など、あらゆる時代や場所に存在する「境界」に目を向け、その意味を問い直すような作品を制作してきました。《元気炉》は原子炉の形状をした構造物に薬草の香りを帯びた蒸気を発生させ、観客が中に入る体験型の作品です。

《元気炉》の前で 栗林隆 青森県立美術館にて

初日を迎えた栗林隆は作品の前で「2020年から取り組むこの作品。東日本大震災の発生後、アーティストとしてできることを模索しながら福島に通うなかで、地元の人たちから元気をもらっていることに気づき、タイでの経験から着想を得て、みんなが元気になる原子炉型の作品、薬草スチームサウナを震災から10年目に発表しました。当初は作品の名前はなく、作品を体験した参加者の様子をみて、みんなの元気でエネルギーを生み出す《元気炉》ということで名前がつきました。青森は十和田市現代美術館に作品が展示され、縁が深いところ。青森を代表する5つの美術館で作品をお見せできることを楽しみにしています。また日頃から共にキャラバンをしている音楽家の辰田翔さん、写真家で映像作家の志津野雷さんも加わり、五感を超えた六感で空間全体を楽しんでいただけるような作品を作りあげます。是非実際に参加して作品を体験してほしい。」と語りました。

本アートフェスでも、作品を稼働する美術館では地域ごとに自生する薬草をブレンドして使用。レモングラスやくわの葉など、ハーブの香りが漂うミスト状のスチームを体験した人たちは皆一様に笑顔で、体験後のハーブティーも楽しんでいました。

栗林隆《元気炉》青森県立美術館 展示の様子

《元気炉》は2024年のテーマである「つらなりのはらっぱ」を体現するように、青森5館を旅し、各地域に継承される伝統文化や人々との交流をかさねながら、本アートフェスのフィナーレを飾ります。

「Aomori GENKI-RO Trip」と題して、青森の各地域に伝わる郷土音楽からジャズ、クラッシックなど、地元で活動する奏者たちと音楽家の辰田翔がライブ演奏を行うほか、当日は各館ごとにドリンクやフードの出店もあり、アーティストと参加者が共に楽しめる企画です。

この後、青森公立大学 国際芸術センター青森、八戸市美術館、十和田市現代美術館、弘前れんが倉庫美術館を順番に巡回いたします。ぜひこの機会にご参加ください。

>>栗林 隆《元気炉》「Aomori GENKI-RO Trip」今後の巡回・イベント情報はこちら

青森県立美術館では青森県庁ねぶた実行委員会囃子方が参加。
音楽家の辰田翔とライブ演奏を披露する青森県庁ねぶた実行委員会囃子方