AOMORI GOKAN アートフェス 2024 メイン企画

currents / undercurrents − いま、めくるめく流れは出会って

周遊チケット対象

青森公立大学 国際芸術センター青森

【会期】
前期:2024年4月13日(土)— 6月30日(日)
後期:2024年7月13日(土)— 9月29日(日)

【開館時間】
9:00—19:00(展覧会は10:00—18:00)

【休館日】
なし(展覧会期以外は、野外散策と展示棟ラウンジおよびトイレをご利用いただけます)

【観覧料】
無 料
※窓口で周遊チケットご提示いただくと、AOMORI GOKAN アートフェス2024 オリジナルグッズをプレゼントいたします。

【参加作家】
Jumana Emil Abboud(ジュマナ・エミル・アブード)、青野文昭、岩根愛、是恒さくら、工藤省治、光岡幸一、中嶋幸治、澤田教一、鈴木正治、Jasmine Togo-Brisby(ジャスミン・トーゴ=ブリスビー)、Robin White(ロビン・ホワイト) 
[後期のみ]アイヌの衣服(青森市教育委員会所蔵)

【会場構成】
山川陸

▶︎『currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って』公式HPへ
岩根愛《The Opening》2024年

国際芸術センター青森は、表現活動を行う人々が全世界から集い、宿泊しながら地域住民や学生らと交流し、滞在制作を行うアートセンターです。表現者たちは偶然や必然に導かれながら移動し、この青森という土地/場所へやってきます。古代からヒトをはじめとした生き物は、自然の力も借りながら、移動を続けることで生きてきました。生まれた場所、定住する場所、前にいた場所、そしてこれから行く場所は、今たまたま現在地であるここ青森と、どのようにかかわり合うのでしょうか。そして、様々な場所の自然や人間、非人間たちといった存在、そして歴史や記憶と私たちは、いかに交差しつつ、語り合い、とらえ直しながら生きていくことが可能なのでしょうか。本展では、「現在」という意味をもちながら、海流や気流をはじめとして、ある一定の方向に動く水や空気、電流などの変わり続ける流れを示す「current」と、表面や他の流れの下にある目に見え難い流れや暗示を意味する「undercurrent」をキーワードとして、ある場所とかかわり合いながら表現をつむぎ出す国内外のアーティスト、そして青森ゆかりの表現者たちによる作品が集います。前期と後期の出展作家は同じですが、会期半ばで展示替えをし、異なる2 つの展覧会を行うことで、一回限りでない場所への働きかけや、変化し続ける「いま」をこの場に取り込むことを試みます。それぞれの表現が発生させる流れや渦のようなものが、出会い交差することで、また新たな流れや渦を無数に生成させていく… 実験的なアプローチを通して、私たちの現在地を問う企画です。

©Ai Iwane
青野文昭 新作のためのスケッチ
参考画像:光岡幸一「もしもといつも」2021年、Photo: naoki takehisa
是恒さくら 新作のためのスケッチ

◎参加作家


Jumana Emil Abboud(ジュマナ・エミル・アブード)
1971 年イスラエルのシェファ・アムル生まれ、イェルサレムとロンドン拠点。様々な表現方法を用いて、パレスチナや抑圧された文化圏におけるストーリーテリング、水、先住民の権利を扱う。

青野文昭(あおの・ふみあき)
1968年宮城県仙台市生まれ、在住。「修復」をテーマとし、空き地や海岸などで拾った廃棄物を、その欠損部分や使われた痕跡を手がかりに「なおす」方法を用いて作品を制作している。


岩根愛(いわね・あい)
東京都出身、同地と福島県三春町拠点。カリフォルニアのペトロリアハイスクールに学ぶ。1996年より写真家として活動し、移民を通じたハワイと福島の関わりなど、土地に根ざした人間の姿を追う。

是恒さくら(これつね・さくら)
1986年広島県呉市生まれ。アラスカ先住民の狩猟生活やものづくりにはじまり、現在は捕鯨、漁労、海の民俗文化についてフィールドワークと採話を行い、リトルプレスや刺繍、造形作品として発表する。

工藤省治(くどう・しょうじ)
1934年青森市生まれ、岩手県水沢育ち。1957年から愛媛県の梅山窯に陶工として働き、砥部焼の代名詞ともいえる唐草模様を生み出す。1974 年春秋窯設立。2019 年没。

光岡幸一(みつおか・こういち)
1990年愛知県生まれ、東京拠点。建築的な思考をベースに遊びの要素を取り入れつつ制作。都市やコミュニティと対話し、自らもそこに介入して得た経験を作品化している。

中嶋幸治(なかじま・こうじ)
1982年青森県平川市(旧平賀町)生まれ、在住。札幌拠点を経て、現在は美術家/介護者/りんご農園手伝いとして、作品制作を通し、万物の多様な位相の移動や痕跡に触れ、留めようとする。

澤田教一(さわだ・きょういち)
1936年青森市生まれ、報道写真家として活躍。ベトナム戦争を撮影した《安全への逃避》でハーグ第9回世界報道写真大賞、1966 年ピュリッツァー賞。1970年カンボジア取材中、銃撃に襲われ死亡。

鈴木正治(すずき・まさはる)
1919 年青森市生まれ、第二次世界大戦時の中国戦線での従軍経験から画家になることを決意。平和を願う心とユーモアにあふれた絵や彫刻を残す。2008年没。

Jasmine Togo-Brisby(ジャスミン・トーゴ=ブリスビー)
1982年オーストラリアのクイーンズランド州生まれ。祖先はバヌアツから連れ去られ、オーストラリアのサトウキビ農園で働かされた。太平洋奴隷貿易の歴史と現代への影響について作品制作を通して検証している。

Robin White(ロビン・ホワイト)
1946年ニュージーランドのテ・プケ生まれ、地域主義的な絵画を描いたのち、1982年から17年間キリバス共和国に滞在。島での伝統的な共同制作を通してアートの概念を拡張し、女性たちとの協働を通して作品を制作する。

[後期のみ]アイヌの衣服(青森市教育委員会所蔵)

【会場構成】 山川陸(やまかわ・りく)
1990年生まれ、建築家、アーティストとして活動。土地と人の折り合いの歴史から都市を見直すツアーパフォーマンスなど、様々な形式により、集団で共に考える状況の設計に取り組む。